みなさんは、歯と口の健康週間をご存知でしょうか?
始まりは、1928年(昭和3年)に日本歯科医師会で「6(む)4(し)」にちなみ6月4日を「むし歯予防デー」とされたことでした。その後、何度かの名称変更ののち2013年(平成25年)から「歯と口の健康週間」として、厚生労働省、文部科学省、日本歯科医師会、日本学校歯科医師会が実施している週間です。
この週間は、歯と口の健康に関する正しい知識を国民に身に付けてもらうことや、早期発見及び早期治療等を徹底することにより歯の寿命を延ばし、国民の健康の保持増進に役立てることを目的としており、全国各地で独自に啓発イベント等を展開しています。
今回は啓発活動の一つである8020運動についてお話します。
▷ 8020(ハチマルニイマル)運動とは?
1989年(平成元年)より厚生労働省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
「80」は当時の平均寿命で「20」は自分の歯で食べるために必要な歯の数を意味します。すなわち、自分の歯で食べる楽しみを味わえるようにとの願いを込めてこの運動が始まりました。
▷ 通常、永久歯が何本あるのかご存じですか?
上顎14本、下顎14本、合計28本あり、親知らず(4本)を含めると合計32本あります。
歯は、前歯と奥歯で形態と役割が異なります。
前歯はシャベルのような形をしており、食物の硬さや大きさを確認しながら食物を噛み切ります。
奥歯は、噛む面に溝があり食物をすりつぶし飲み込みやすい形にします。
美味しく食べるためには、前歯も奥歯も必要なのです。
8020運動を意識しつつ、全ての歯を一生使い続けられるよう心がけましょう。
▷ 8020は夢ではない
8020運動の達成率は、1989年の運動開始当初は7%程度(平均残存歯数4〜5本)でしたが、2005年の厚生労働省の調査では、80〜84歳の8020運動の達成率は21.1%で、85歳以上だと8.3%にまで伸びました。
また、2023年6月に厚生労働省が発表した歯科疾患実態調査(2022年調査)では、達成者が51.6%となりました。
▷ 歯の2大疾患
歯を失う大きな原因は「むし歯」と「歯周病」といわれています。
「むし歯」は、冷たい物や熱い物がしみたり、歯に穴があくため比較的気が付きやすいです。
「歯周病」は、自覚症状が出にくいため、気がついた頃には重症化している事が多く、歯を失う原因で最も多い疾患です。生活習慣病と言われるこの病気は、初期を含めると成人の80%以上がかかっています(厚生労働省平成17年歯科疾患実態調査)。
日ごろの仕事の忙しさに任せて、“暴飲暴食”や“不規則な生活”など、日常の生活習慣の乱れが歯周病につながりますので注意が必要です。
早期発見、早期治療のためには、定期的に歯科医院等で確認してもらい、正しい歯みがきの方法など相談しましょう。
▷ 8020 健康長寿社会の実現に向けて
現在、日本歯科医師会は8020運動の次なるステップとして、「8020健康長寿社会」を目指しています。それは、歯周病等の重症化を防ぎ、8020運動者を増やし、健康長寿社会を目指すという事です。
8020達成者は非達成者よりも生活の質(QOL)を良好に保ち、社会活動意欲があるとの調査結果や、残っている歯の本数が多いほど寿命が長いという調査結果もあります。
健康寿命を延ばすためにも定期的にかかりつけの歯科医院に行き、口の中の健康を保ちましょう。