みなさんは、日頃からお鼻で呼吸できていますか?
近年、マスク生活による呼吸のしにくさや、アレルギー性鼻炎の増加などでお口が開いていたり、口呼吸になっている方が増えています。柔らかい食事が増えるなど 口回りの筋力が低下していることも要因だと考えられています。
今回は、口呼吸がお口や体に与える影響と呼吸の改善方法についてお伝えしていきます。
■口呼吸のサイン ■口呼吸が口腔に与える影響
・無意識に口が開いている
・唇の乾燥、ひび割れ、出血がある
・口が「へ」の字に曲がっている
・いびきをかきやすい
・鼻づまりが多い
・口臭が強い
・口を閉じた際に顎に梅干し状のシワがみられる
他にも・・・眠りが浅い、起床時、口腔の不快感がある、喉が渇きやすいなどの自覚症状がある場合もあります。当てはまる項目が多い程、口呼吸になっている可能性が高いです。
【虫歯や歯周病になりやすい】
唾液の機能がうまく働かなくなることにより、歯垢が溜まりやすく、むし歯のリスクが高まってしまいます。実際に、お家でのホームケアや歯科でのクリーニングを 行っていても、口呼吸の場合、むし歯や歯周病の原因菌の量が増えていくことが報告されています。
【着色汚れが付着しやすくなる】
唾液の洗浄作用が低下すると、コーヒーやお茶、タバコなどによる着色汚れも付着しやすくなります。また、鼻呼吸と口呼吸では着色の付き方も変わってきます。
鼻呼吸の場合では、歯と歯茎の境目などから付着しはじめますが、口呼吸の場合、口の中の空気の通り道にあたる、前歯の先端付近、上の前歯の裏側から付着しはじめます。着色が気になる方は、付着している場所も口呼吸をしていないかの目安になるので確認してみてください。
【口臭が発生しやすくなる】
口呼吸していると、唾液が減り、食べ物のごみや最近の塊であるプラークを洗い流しにくくなります。これらが発酵して強いにおいを発し、細菌そのものが持つ匂いと混じることにより、強い口臭を放ちやすくなります。
【歯並びが悪化する】
鼻呼吸をする人の場合、舌は上顎の「スポット」と呼ばれる正しい位置に置きやすくなります。しかし、口呼吸をすると、舌は下顎に密着することが多くなり(低位舌)下顎の成長ばかりが促進されてしまうのです。結果として、「受け口」や「出っ歯」になりやすいため、注意しなければなりません。
口呼吸は口腔内だけでなく、体にも様々な悪影響を及ぼします。例えば、睡眠時無呼吸症候群のリスクが上がる、姿勢が悪くなる、風邪やアレルギーになりやすくなる 酸素が取り込みにくくなるなどがあります。
【口呼吸の改善方法】
口呼吸の改善には、舌や口周りの筋肉を鍛えることが重要です。いくつかトレーニング方法がありますが、簡単で道具もいらず、どこでもできる「あいうべ体操」をご紹介します。
★あいうべ体操のやりかた
「あー」と口を大きく開ける
「いー」と口を横に大きく開ける
「うー」と口を尖らせて前に突き出す
「ベー」と舌を思い切り下に伸ばす
1セット4秒前後で、1日30セットが目安です。
どの音も大切ですが、特に「い」の音は、舌位置が最も高くなり、咽頭にも力が入ります。日常でも、「い」は省略しがちな音(「きれい」を 「きれー」と言うなど)の為、意識して発音してみましょう。
他にも、ガムを噛む(くちゃくちゃ食べず、お口を閉じて)、鼻呼吸を意識する、舌の位置を上顎につくよう意識するなど、日頃からトレーニングする方法はあります。まずは、自分でできる対処法を試して、改善が難しい場合は専門医による治療を受けるといいでしょう。