皆さんは日頃スポーツをしていますか?スポーツは健康にも良いことですが、実は「スポーツをする人は、歯の健康を損なうリスクが高まる」といわれている事をご存じでしょうか。また、歯の健康がスポーツに影響する事は知っていますか?
今回はスポーツ習慣のある人が知っておきたい、スポーツと歯の関係やケアのポイントをご紹介します。
■「歯の健康」とスポーツの関係とは?
歯の健康は、スポーツをするうえでもとても大切です。
一流のアスリートは歯をとても大切しています。なぜなら、噛む力が競技中の集中力や体幹の安定性に関係していたり、口腔内の環境が免疫力やメンタルパフォーマンスに影響するからです。
歯周病や虫歯による痛みは、体全体に炎症反応を引き起こし、疲労感や倦怠感を増加させる可能性があります。
アスリートが競技中に最高のパフォーマンスを発揮するためには、身体のケアだけでなく、歯の健康を守ることが欠かせないのです。
■スポーツする人が虫歯や歯周病、※酸蝕症(さんしよくしょう)になりやすい理由とは?
スポーツをする人が、虫歯や酸蝕症など歯のトラブルに対するリスクが高くなる原因はいくつかありますが、主に次の3つの事があげられます。
①スポーツドリンクを頻繁に飲む
スポーツドリンクには糖分がたくさん含まれているうえ、酸性度が高いものが多くあります。
頻繁に飲むと歯が溶けやすい口内環境になり、虫歯や酸触症(さんしょくしょう)のリスクが
高まってしまいます。
②唾液の分泌が減る
スポーツをしてたくさん汗をかくと、体内の水分が失われるため、唾液の分泌が減少して
しまいます。すると、唾液の持つ洗浄作用(口内の汚れを洗い流すき)や緩衝作用、
再石灰化作用(酸により溶けた歯を健康な状態に戻す働き)など、歯を守る働きが
機能しにくくなるからです。
③つい歯磨きがおろそかに・・・
運動で疲れへとへとになるとつい歯磨きがおろそかになったり、練習が忙しく、
歯科にかかるのがつい後回しになりがちです。
※酸触症とは、酸によって歯が溶ける症状のことです。
酸性の食べ物(柑橘系の果物や酢の物など)や、酸性の飲み物(オレンジジュースやスポーツ
ドリンク、炭酸飲料など)が歯を直接溶かし、すり減りや欠けの原因になります。
スポーツを楽しみながら歯の健康に気を守るための3つのポイント
①スポーツドリンクの飲み方に気をつける
スポーツドリンクは運動中に失われる水分、ミネラル、エネルギー、を素早く補給できる飲料
として スポーツ時には欠かせないものです。しかし、歯にとっては、スポーツドリンクは
気をつけなければいけない飲料でもあります。
スポーツドリンクはphがおよそ3~4と低く、酸性の飲み物です。
歯はphが5.5以下になると、歯からミネラルが抜け出す、すなわち溶ける状態になります。
スポーツドリンクを飲んだ後は、少量の水やお茶を口に含んだり、お口をすすぐ、歯に
スポーツドリンクが直接触れないよう、ストローで飲むなど、ちょっとした工夫をしましょう。
③フッ素を上手に活用する
フツ素には、歯質を強化して酸に溶けにくくしたり、再石灰化を促進して、初期虫歯の修復を
助けたりして虫歯を防ぐ働きがあります。日ごろからフッ素入りの歯磨き粉を使って丈夫な
歯を育てることを心がけましょう。
歯やお口の健康を守るためには、歯科検診を定期的に受けることが大切です。
口腔内に異常がなくても、3か月に1回の検診が理想的で、最低でも半年ごとに年2回のペースで
検診を受けるといいでしょう。
☆スポーツと歯の健康の関係やケアのポイントがおわかりいただけましたか?
歯が健康だと、運動面においても自分の力を存分に発揮できます。
スポーツを楽しんでいる人、スポーツ中のパフォーマンスを上げたい人は、お口のケアに改めて
注目してみてはいかがでしょうか。